口腔機能低下症

 口腔機能低下症とは

口腔機能低下症(こうくうきのうていかしょう)とは、加齢やお口のトラブルなどにより、「噛む・飲み込む・話す・唾液を出す」といったお口の機能が全体的に低下している状態を指します。

この状態は、いわゆる「オーラルフレイル(お口の衰え)」が進行した段階とされ、放置すると食事や会話がしづらくなり、全身の健康にも影響を及ぼします。

こんな症状はありませんか?

  • 食べ物が噛みにくくなった
  • 硬いものを避けるようになった
  • 食事の時間が長くなった、噛む回数が増えた
  • 食事中にむせることが増えた
  • 口の中が乾く
  • 滑舌が悪くなった
  • 薬が飲みにくくなった
これらは「年齢のせい」と見過ごされがちですが、口腔機能低下症によく見られるサインです。
早期に対策することで改善・維持が可能です。

口腔機能低下症の原因

口腔機能低下症は、さまざまな要因が重なって起こります。

お口の問題

  • 歯周病・むし歯
  • 入れ歯の不適合
  • 歯の本数の減少

全身的な要因

  • 加齢による筋力低下
  • サルコペニア(筋肉量低下)
  • 持病や服薬の影響

口の周りの筋肉が衰えると、噛む・飲み込む力が低下し、栄養状態の悪化や全身の衰えにもつながる悪循環が生じます。

どんな人がなりやすい?

高齢者(特に65歳以上)

  • 加齢により、噛む力舌や唇の筋力唾液量が自然に低下
  • 義歯の不具合や歯の本数減少が影響することも

歯が少ない/合わない入れ歯を使っている人

  • 噛みにくさから食事内容が偏り、口の筋肉を使わなくなる
  • 結果として機能低下が進行

やわらかい物中心の食生活の人

  • 咀嚼回数が少なく、口周りの筋肉が衰えやすい
  • 「噛む・飲み込む」刺激が不足

会話や外出が少ない人

  • 話す・笑う機会が少ないと、舌・唇・頬の筋力が低下
  • 独居や引きこもり傾向の方は注意

全身疾患・服薬の影響がある人

  • 糖尿病、脳血管疾患、パーキンソン病など
  • 抗うつ薬・降圧薬などで口が乾きやすい場合もリスク

口腔ケアが不十分な人

  • 汚れや炎症により痛み・違和感が生じ、口を動かしにくくなる

口腔機能低下症の検査について

当院では、以下の7つの項目をもとにお口の機能を評価します。

▼ 検査項目
  • 口腔衛生状態(お口の清潔さ)
  • 口腔乾燥(唾液量)
  • 咬合力(噛む力)
  • 舌・唇の動き(滑舌)
  • 舌の力(舌圧)
  • 咀嚼能力(噛み砕く力)
  • 嚥下機能(飲み込む力)
このうち 3項目以上で低下が認められると診断されます。

放置するとどうなる?

口腔機能低下症を放置すると、以下のようなリスクがあります。

  • 食事量の減少・栄養不足
  • 筋力低下(フレイル・サルコペニア)
  • 誤嚥性肺炎のリスク増加
  • 要介護状態への進行
つまり「お口の問題」だけでなく、全身の健康・寿命にも関わる重要な状態です。

早期発見・早期対策が重要です

口腔機能の低下はゆっくり進行するため、 ご自身では気づきにくいことが多いのが特徴です。

 しかし早い段階で対策を行えば、
  • 食べる力の維持
  • 会話のしやすさの改善
  • 健康寿命の延伸
につながります。

「少し気になるかも」と思った段階で、ぜひ一度ご相談ください。

よくある質問

何歳くらいから検査したほうがいいですか?

一般的には50代以降で増加しますが、気になる症状があれば年齢に関係なく検査可能です。

保険は適用されますか?

はい。
口腔機能低下症の検査・管理は保険診療の対象です。

改善できますか?

早期であればトレーニングや治療により改善・維持が可能です。