むし歯治療

むし歯治療

むし歯治療
飴やチョコレートやジュースなどの甘いものをよく口にする人だけが、むし歯になる訳ではありません。
お口の環境の違いで元々歯が弱くむし歯になりやすい人もいます。どんなに頑張って歯を磨いていても、ご自分のお口の状態を知らなければむし歯になってしまうのです。
まず、むし歯を治すことが大切ですが、むし歯になった原因を知り、治療した歯も含めて一緒に守っていきましょう。

生活習慣とむし歯の関係

生活習慣の乱れとお口の環境の悪化によってむし歯になりやすくなると言われています。
むし歯になりやすい生活習慣とお口の環境チェックリストを記載しますので、1つでも当てはまる場合は、むし歯の早期発見のために治療後も3か月に1回程度の歯科検診をおすすめします。
当てはまる項目が多いほどむし歯になる可能性が高くなります。

むし歯になりやすい生活習慣チェックリスト

◯ 歯磨きは1日1回以下
 歯にプラークがたまりやすくなり、むし歯の原因菌の増殖を招きます。

◯ 甘いものをよく食べる・よく飲む
 むし歯の原因菌は糖分を分解して酸を作るため、歯を溶かしてむし歯になりやすくなります。糖分の含まれる飲み物は歯と歯の間もむし歯になりやすくなります。

◯ 間食が多い
 むし歯の原因菌が出した酸を唾液が中和する時間が短くなり、むし歯になりやすくなります。

◯ しばらく歯科に行っていない
 初期段階のむし歯は痛みがないため、むし歯になっていても気付かないことがあります。

むし歯になりやすい口内環境チェックリスト

◯ 口の中がよく乾く
 殺菌作用のある唾液が不足しているため、むし歯の原因菌が住みつきやすくなります。血圧を下げる薬などを服用している場合、副作用で口の中が渇くこともあるため注意が必要です。

◯ 歯並びが悪い
 歯並びがデコボコしていると、磨き残しが多くなるため、むし歯になりやすくなります。

◯ 歯周病がある
 歯周病が進行して歯茎が下がると歯と歯の間に隙間ができてしまうため、そこにプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。また、酸に弱い歯の根元まで露出してしまうとむし歯になりやすくなります。

◯ 被せ物や詰め物が多い
 詰め物と歯の間に隙間ができてしまうと、むし歯になりやすくなります。また、詰め物の内側にむし歯ができると、表面からは分かりにくいため一度治療した歯は特に注意が必要です。

むし歯の進行

C0(要観察歯)

C0(要観察歯)
初期むし歯とも呼ばれます。歯の表面が白くにごってくすんで見える状態です。
まだ元の健康な歯に戻る可能性がありますが、放っておくとむし歯に進行してしまいます。
歯に穴は開いておらず、痛みなどの症状はありません。

C1

C1
歯の表面をおおっているエナメル質が脱灰(歯が溶ける)している状態です。
痛みはあまり感じませんが、歯の表面が白くにごっていたり、穴の開いた部分が茶色又は黒色に変色します。

C2

C2
象牙質の層にまで進んで穴があいている中等度のむし歯です。
冷たいものを食べたり飲んだりすると歯がしみることもあります。
この段階まで進行したむし歯は一気に進行が広がるので注意が必要です。

C3

C3
むし歯が大きな穴になって象牙質のすべてに及び、歯髄(神経)まで達したむし歯です。
炎症を起こしたりすると、とてもはげしい痛みをともないます。

C4

C4
歯が崩れて根っこだけが残ってしまった状態です。
このままにしておくと顎まで細菌が入り込み、炎症を起こし歯茎が腫れたり痛むこともあります。

進行度に合わせたむし歯の治療

歯は再生しにくい組織なので、できるだけ削らずに歯を保持することが現在のむし歯治療の基本です。歯磨きの指導とともに、むし歯の進行度合いに合わせた治療が行われます。
むし歯が進行していて、歯を削る必要がある場合は、以下のような治療を行います。

ブラッシング指導やフッ素塗布(C0)

むし歯の治療と予防の基本が歯磨きです。
歯ブラシの当て方や動かし方、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方などの指導とフッ素塗布を行います。

むし歯を削る → 詰め物(C1~C2)

むし歯の部分を削って詰める治療です。
銀歯で詰める場合や、白い詰め物を使用する場合もあるのでご相談ください。

神経を取る → 被せ物(C3)

むし歯が歯の神経まで到達している場合に行います。
神経を取ったあと、被せ物を着けます。

抜歯 → ブリッジ・入れ歯・インプラント(C4)

抜歯した後に行う治療としては、ブリッジ、入れ歯、インプラントがあります。
それぞれ長所、短所がありますので、よく説明を聞いて、理解したうえで選ぶことが大切です。

銀歯にしたくない方へ

歯科医院で治療した歯に使われた金属が原因で金属アレルギーになる方がいらっしゃいます。
皮膚の湿疹、かぶれ、肌荒れ、アトピー性皮膚炎、関節痛、慢性疲労は、金属アレルギーが原因かもしれません。保険治療に使われる銀歯が劣化すると、唾液でアレルギーの原因物質が溶け出して手足の発疹等の症状を引き起こします。
オールセラミックスの詰め物・被せ物は銀歯のようにアレルギーの原因物質が溶け出さないため、金属アレルギーのリスクはほとんどありません。

むし歯の治療が終わったら

むし歯の治療を終えてからが本当のスタートラインです。
お口の健康リスクはむし歯よりも歯周病が大きく、歯周病は一生のお付き合いが必要な病気です。
定期管理で歯や歯肉、歯を支える骨を健康に保つお手伝いをします。
一緒に頑張っていきましょう。